この記事は約 1 分で読めます。
この六面体は、名を “Fidget Cube” と言う。
ダイヤル、スイッチなどが六面に配置された立方体だ。
六面を合わせて12のスイッチがあるが、何かを操作できるわけではない。
流行りのマルチリモコンとは一線を画す製品である。
では何ができるか。
何もできないのだ。
かちかち、ぐるぐる、ころころ、ぱちぱち。
ただスイッチ類を操作する快感を与えることに特化している。
指への抵抗が絶妙に調整されていて、わずかではあるが脳のリソースを消費する。
それが、手持ち無沙汰を解消するには最適なのだ。
逆を言えば、手持ち無沙汰を解消する以外の使いみちがない。
何も操作できないスイッチたちを押すことで満たされるのは「手持ち無沙汰」だけ。
これまでスイッチを押すことによって支配欲を満していた自分を再認識してしまう。
蛇口をひねるだけで楽しい。
自転車が進むだけで楽しい。
チャンネルが変わるだけで楽しい。
そんな自分を思い出してプリミティブなアイディアを得ることのできる一品だ。